初心者にもすぐわかる　Bi-Digital O-Ring Testの歯科臨床への応用

近年，「オーダーメイド医療」という言葉に代表されるように，患者個々人に合った医療を提供することが求められています．しかし，各患者特有の問題を把握するには高価な機器類を用いたり，患者に侵襲や大きな経済的負担をかけることがままあります．このような問題を解決する方法のひとつとして注目されているのが，Bi-Digital O-Ring Test（ORT）です． 　ORTとは，ニューヨークの心臓病研究所・大村恵昭所長によって1970年代に創始・開発された検査法で，人の体を生体センサーとして利用し，生体内の情報を指の筋力変化として検出するものであり，正しく行えばアレルギーや薬剤適合性など患者の生体内情報を簡便に把握できる，とされています． 　本書は，このORTについて歯科領域への応用に絞って解説したものです．ORTを正しく理解するための一書として，すでにORTに取り組まれている先生方には実践的症例集として，明日からの充実した臨床にぜひお役立てください．

第１章　患者の身体状況把握法としてのBi-Digital O-Ring Testの歯科臨床での応用
　（1）Bi-Digital O-Ring Testとは
　（2）ORTでどんなことがわかるか
第２章　ORTの正しい方法
　（1）基本的方法
　（2）ORTはグレーディング法を用いて正確に
　（3）ORTの間接法を勧める
　（4）口腔内の歯科金属充填補綴物はORTに影響しないか

第３章　歯科臨床におけるORTの応用
　（1）痛みの原因歯が見つからない
　（2）歯内療法への応用―歯内療法の経過と根管充填時期の推定
　（3）歯周病への応用
　（4）歯科麻酔剤や抗生剤などの適合性・適量の決定
　（5）歯科材料の適合性
　（6）顎位（咬合高径・水平的顎位）決定指標としてのORTの応用
　（7）歯科治療で配慮すべき全身疾患のスクリーニング
　（8）免疫能，アレルギー有無の検査としての胸腺代表域のチェック
　（9）顎関節症への応用
　（10）三叉神経痛，顔面神経麻痺，下歯槽神経麻痺，舌痛症への応用
　　　　―疼痛および麻痺領域のイメージング（簡易投影法）
　（11）心因性口腔疾患に対する心理療法の一便法としての応用

第４章　ORTの効果的活用
　（1）薬剤を的確に目的の病巣部に到達させるには
　（2）観血手術時には，かならずORTで免疫・ストレス度のチェックを
　（3）ORTイメージング法による歯と全身との関係
　（4）マグネットを用いた歯と全身との関係を調べる方法
　（5）電磁波病の特徴とその初期発見法，予防法および治療法について
　（6）ORTをするにあたってのインフォームド・コンセント
　（7）一般歯科診療所におけるORTの適用とその課題

症　例　集
　慢性疼痛（症例１～症例８）
　突発性三叉神経痛（症例９～症例11）
　末梢性顔面神経麻痺（症例12～症例15）
　顎関節症（症例16～症例18）
　心理的要因を考える難症例（症例19～症例21）
　義歯不適応症（症例22）
　舌痛症（症例23・症例24）
　下顎智歯抜歯後の下歯槽神経麻痺（症例25）
　化学物質過敏症（症例26・症例27）
　電磁場過敏症候群（症例28）
　ORTにて発見，CAMを利用して快癒に導いた筆者の経験（症例29）

資　料　集