日本歯科評論 増刊2013　画像撮影・診断の新たな展開

■デンタル・パノラマのデジタル化，そしてCT　各画像の撮影法と診断のポイントを整理し，多数の症例とともに詳述！

エックス線画像は診査・診断，治療計画の立案など，歯科診療に不可欠なものですが，近年，デジタル化の拡がりや歯科用CBCTの登場・普及により，撮影環境や注意すべき読影のポイントなど，従来と比べて大きな変化が起こっています．

それらの変化に適切に対応するため本増刊では，
●デンタル・パノラマのデジタル化によって何が変わるのか (画像から得られる情報，撮影の環境，画像の保存法，患者への説明など)
●各装置の最新の知見と効果的な活用法
●症例によるアナログ画像とデジタル画像，そして歯科用CBCTの診断のポイント (アナログで診断しやすかった症例，デジタルで診断しやすかった症例，CTで診断できた症例など)
について解説しています．明日からの臨床に役立つ一冊として，ぜひご活用ください．

第I章　画像撮影・診断の新たな展開……佐野　司


第Ⅱ章　たしかな画像を得るためにおさえておきたいポイント

1．歯科用デジタルエックス線画像システムの特徴―画像のデジタル化がもたらすもの……西川慶一
2．歯科用CBCTの特徴―医科用CTとの比較，使用上の注意点……西川慶一
3．歯科用CBCTの臨床的特徴とわかること―デンタル・パノラマとの比較……和光　衛
4．デンタル・パノラマエックス線撮影のポイント，デジタル化によって変わった点……小林　顕
5．デジタル画像情報を共有する仕組みと遠隔医療の展開……勝又明敏
6．歯科画像診断法の新しい展開―CdTe検出器とTomosynthesisがもたらす新たなエックス線診断……荒木和之・関　健次・佐野　司


第Ⅲ章　わかりにくい，見落としやすい画像診断のポイント
……久保周平／白根龍一／関根秀志／髙野正行／早川裕記／藤波弘州／古澤成博／堀田宏巳／山下秀一郎

1．デンタル撮影のアナログで診断しやすかった症例
　歯根破折の症例
　偏心投影による診断
　根尖付近に及ぶ垂直性骨欠損を認める症例
　咬合性外傷による歯槽骨吸収が認められた症例
　上顎前歯部の骨吸収が疑われた症例
　複数歯にわたる咬合性外傷を認めた症例
　著しい歯肉増殖と歯槽骨吸収を認めた症例
　歯周炎と咬合性外傷による骨破壊が認められた症例
　分岐部病変の診断
　著しい骨吸収が疑われた症例
　幼若永久歯の深在性う蝕
　外傷による脱臼歯に発現した根尖部病変

2．デンタル撮影のデジタルで診断しやすかった症例
　安全なポストコア除去の補助
　安全なポスト形成の補助
　歯冠長延長術の補助
　安全なポスト形成の補助
　脱離補綴装置再装着の可否を診断
　ポスト除去の可否を診断
　乳臼歯根分岐部病変
　上顎大臼歯の歯根破折

3．デンタル撮影で診断できなかったがCTで診断できた症例
　上顎正中過剰埋伏歯
　下顎歯牙腫
　下顎水平埋伏智歯と下顎管との交叉
　下顎埋伏智歯の圧迫による歯根吸収
　下顎深部埋伏智歯(頬側転位)
　上顎犬歯からの内歯瘻
　下顎埋伏歯に伴う骨吸収
　フェネストレーションの症例(1)
　フェネストレーションの症例(2)
　根尖部透過像が複数歯に及んでいる症例
　根尖部透過像がびまん性に広がっている症例
　上顎大臼歯の根尖が上顎洞に突出している症例
　歯根破折が疑われた症例(1)
　歯根破折が疑われた症例(2)
　叢生歯列における根尖性歯周炎
　下顎大臼歯根尖病変の皮質骨穿孔症例
　慢性根尖性歯周炎の診断
　歯根破折の診断
　歯槽骨吸収がデンタルでは診断できなかった症例
　集合性歯牙腫(1)
　集合性歯牙腫(2)
　インプラント体唇側支持骨の存在の確認
　造成した骨の経過観察

4．パノラマ撮影で診断できなかったがCTで診断できた症例
　上顎歯根嚢胞
　上顎歯根嚢胞と上顎洞炎
　CBCTによる3次元的な骨欠損の診断
　下顎前歯部の画像診断への脊柱の影響
　インプラント体と隣在天然歯根との接触の確認
　下顎前歯部の唇舌的骨量の診断
　上顎洞周辺の3次元的形態の診断
　下顎骨の内部構造と透過性による骨質の診断
　顎骨骨折固定用プレート除去の必要性の診断
　変形性関節症の診断

5．エックス線検査で診断が困難であった症例
　小臼歯部の急性根尖性歯周炎
　骨膜炎の原因を診断できなかった症例
　抜歯窩の残留を診断できなかった症例
　歯根破折の診断