日本歯科評論 別冊2002　ヘルス・プロモーションとオーラル・ヘルス

超高齢社会を迎え，社会構造やひとびとの健康意識・疾病構造など，歯科を取り巻く環境はいま大きくかつ急激な変化に直面しています．「健康増進法」の策定も進行しており，今後，わが国の歯科医療はどの方向へかじ取りをしたらよいのか，緊急の課題となってきたようです．
本書では，患者ごとに個別的な対応を図り，経過観察により長く患者と関わりを持つ歯科臨床の特長を最大限に生かし，社会的課題となったヘルス・プロモーション(健康増進)に積極的に関わるためには何がポイントとなるのか，国民に認知されるためになすべきことは何かなどを，著名な執筆陣に解説していただきました．そして「歯の治療のためだけでなく，快適な健康生活のために歯科医院に行く」という歯科における新しい展開をも提案します．歯科医療の未来を考えるすべての歯科医療人必読の一書です．

１　歯科のアイデンティティとヘルス・プロモーション　
歯科のアイデンティティとヘルス・プロモーション(宮田 隆)

２　咀嚼・摂食とヘルス・プロモーション　
咀嚼と脳の活性(外崎肇一ほか)／下顎運動と味覚(外崎肇一ほか)／摂食行動における下顎運動の役割(岩田幸一)／下顎運動の科学(河野正司ほか)

３　老化とヘルス・プロモーション　
生物から見た老化とは(佐々木英忠ほか)／老化に関わるオーラル・ヘルス(佐々木英忠)／老化と咀嚼(平井敏博ほか)

４　歯周病とヘルス・プロモーション　
歯周病と全身疾患との関係(西原達次)／オーラル・ヘルス・ケアからみた歯周治療(北川原 健)／誤嚥性肺炎の実態とホスピタル・ケア(藤島一郎ほか)／糖尿病その他の全身疾患へのヘルス・プロモーション(西村英紀)

５　ヘルス・プロモーションと東洋医学　
21世紀の医療は統合医療になる(渥美和彦)／ヘルス・プロモーションにおける東洋医学とオーラル・ヘルス(宮田 隆)／歯科統合医療への道(福岡 明)

６　＜座談会＞ニューマーケットとしてのヘルス・プロモーションとオーラル・ヘルス(出席者：藤木 敏・新原英嗣・小山悠子・宮田 隆)